英国から製品・サービス・商品を調達したいが、言葉の壁、距離、ビジネスパートナーの不足、物流などの問題で、調達できない企業が数多く存在します。それを実現するのが、エイクルーのオーダーメイドサービスです。創業者であるエミナ・バーンズがブリッジズに語ってくれました。
あなたにとって「サービス」とは何を意味するのか、またすべての顧客を満足させるためにエイクルがどのような努力を払っているのか教えてください。
エイクルにとってサービスとは、「日系企業であるエイクルがイギリスに存在する意義」であり、エイクルが存在することによって、どのようにお客様のお役に立てるかどうか、を意味します。
お客様によって、弊社に求めるサービス内容は千差万別であり、その意向を汲み取って、各お客様に合ったサービス内容を提供しています。私たちは、自動返信メールは一切使用せず、すべて社員がメールを作成し、送信しています。お客様の細かいご要望にもお応えできる体制が整っています。
2009年に設立されたエイクルは、初めは輸出会社として、イギリスの製品を仕入れたいお客様のために、発送手配、税関申告の手続きなどを行う会社として事業を開始しました。そこから、お客様のご要望にお応えする形で、代行発注や、商談、契約のサポートと、サービス内容を増やしていき、展示会への視察やマーケットリサーチも行うようになりました。その後、事務所の拡大に伴い、商品の保管や在庫管理といった、スペースを活かしたサービスも増やしました。
日英間のコネクションが増える中で、イギリスに進出したいという日本企業のサポートの依頼が増えるようになり、輸出のみでなく、輸入のサービスも行うようになります。日本の素晴らしい商品をイギリスで紹介させて頂けるお仕事はとても有難く、やりがいを感じています。これまでに様々な日本製品をバイヤーやデパートなどに紹介してきました。
エイクルにとって、サービスの内容に制限はなく、これまでお客様の依頼が多様になってくる中で、エイクルにできることであればお受けし、事業内容が多岐に渡る結果となりました。エイクルは完成された会社ではなく、これからもお客様のご要望を叶えるために、常に進展し続けていきます。
顧客の問題を解決するために、20年の日英間の取引経験と専門知識を生かして、どのようなサービスを提供していますか?
最近では、コロナの間に、エイクルの社員全員が、航空法に伴う危険物取扱いの資格を取得しました。香水や洗車用のパネルワイプなど、可燃物で通常では航空便で発送できないアイテムでも、弊社では発送手配が可能です。これは、コロナによりハンドサニタイザーが普及した事で制限が明確になり、災害や緊急自体でも日本へのスムーズな供給ができるようにと資格の取得に乗り出しました。可燃物のみでなく、通常では送れない商材でも、エイクルでお取り扱いができる場合もございますので、ぜひご相談いただけたらと思います。
イギリスから日本への製品の輸入の際に、問題が発生した場合でも、エイクルにご相談頂いて解決するケースは多くあります。たとえば、銃刀法で規制されている銃のパーツや、動物の骨、スポーツトレーニング用の大型マシンなどです。日本側で必要となる書類などの確認のお手伝いをし、スムーズな通関が実現するよう、お手伝い致します。
日本と英国間の貿易に関する問題や課題として顧客が認識していることは何ですか?また、これらの懸念にどのように対処していますか?
日本と英国間の貿易や取引に際して、最初の課題は言語です。これはエイクルにとっては問題ありません。言語以上に課題となるのが、時差と文化です。時差については、イギリスと日本は9時間の時差があり、ほぼ昼夜が逆転しますが、イギリスにあるエイクルは、イギリス国内の企業やショップと時差の問題なく、商談やミーティングが可能です。最も大切なことは文化です。日本とイギリスでは、顧客が求める丁寧さ、正確さと、スピードが大きく異なります。エイクルの社員は、日本の顧客が求めるサービスをいかにうまくイギリスの企業に伝え、実現してもらうか、また、日本のお客様にイギリスの文化を理解してもらうかに、時間と労力を使います。
昨今で大きな懸念となっている事は、サーチャージの高騰による、国際送料の値上がりです。この問題を解決するために、エイクルでは多くの配送会社のアカウントを取得しており、お客様のパーセルにとって最も安価で適切な配送方法を見積もり致します。各配送会社の月ごと発送数を維持することで、送料の大幅な割引価格を提供しています。
様々な費用が値上げする中、エイクルを新規で利用して下さるお客様は増加傾向にあります。
エイクルでは、お客様の需要に応じて、サービスのレベルを設定しています。見積もり、発注から発送まですべてをエイクルにお任せ頂くお客様もいれば、発送のみ、発注のみと必要なサービスのみを単独で利用される法人様もいます。経費削減が重要視される中、エイクルでは、お客様が必要とするサービスを個別に提供することができ、結果的にお客様は最小の経費で、最大限のメリットを得ることができます
エイクルが日本の大企業にとって理想的な取引先となる理由を教えてください。
エイクルでは、過去に今治タオルの欧州セールスエージェントとして、活動したように、日本企業の「イギリス支店」となることができます。イギリスに現地法人を立てなくても、支店を設けなくても、人を雇わなくても、1日にして、イギリス支店を設立することができます。ローマは一日にしてなりませんが、イギリス支店はエイクルを使うことで実現します。
バイヤーとの商談も、オーダーの管理も、顧客への電話やメールでの対応も、在庫管理や、商品の発送だって、エイクルで代行できます。
最も大きな利点は、展示会への出展です。数百を超える数のバイヤーが集まる展示会で、日本のメーカーやブランドの製品を紹介する事ができ、その場で商談ができます。実際に商品を見て頂ける機会も良いですし、エイクルは展示会後のアフターフォローも充実しています。
上でも説明したように、エイクルのサービスはお客様のご要望に応じて異なるレベルでご利用頂けます。
イギリス進出について最初からすべて一緒にご相談させて頂く、二人三脚の形でも良いですし、お客様が自社でできる事は自社で行っていただき、イギリス側からのサポートが必要な部分のみご依頼頂いても構いません。エイクルをお客様の会社の海外事業部として、最大限に活かして頂けると弊社にとっても光栄でございます。