インドネシアと日本の距離を縮める

高橋雄一(国際交流基金ジャカルタ日本文化センター事務局長

橋渡し役です。 インドネシアでの仕事や生活について、個人的にはどのような経験をお持ちですか?

高橋:インドネシアには日本に興味を持ってくれる人が多く、インドネシアの人たちの優しさに触れる機会も多いので、仕事も生活も充実しています。

日本パートナーズ、文化セクション、日本研究など、日本-インドネシア間のパートナーシップにおいて、さまざまな役割を担っていらっしゃいますね。パンデミック時の対応や、2022年・2023年に向けての取り組みについてお聞かせください。

2020年3月以降、新型コロナウイルス感染症の拡大により、国境を越えての移動や、人が直接集まるイベントの開催が不可能となり、国際交流基金ジャカルタの活動には大きな制約が生じました。一方、この間、実現可能なオンライン・プロジェクトを展開することができ、デジタル・プラットフォームを利用することで、これまで交流事業が届かなかった地域や聴衆にリーチできるようになったというメリットもありました。インドネシアでは、オンラインプロジェクトに対する社会の関心が、他の国々と比べてかなり高いのです。

2022年2月、日本映画祭がオンラインで開催された際、インドネシアからの観客は、作品が視聴可能な全25カ国の中でも最大級だった。オンライン開催であったため、インドネシア全土の日本映画ファンが作品を視聴することができました。近年の新型コロナウイルス感染状況の改善傾向やその後の規制緩和を受け、2022年からは、かつての対面式交流プログラムを徐々に復活させ、オンラインプログラムと組み合わせたハイブリッド型での実施を試みていく予定です。また、オフラインの旅行展示会「妖怪展」なども、今年はインドネシアのいくつかの地域で開催することが決まっています。インドネシアのCovidが、今後ますます発展していくことを期待しています。

近年の新型コロナウイルス感染状況の改善傾向やその後の規制緩和を受け、2022年からは、かつての対面式交流プログラムを徐々に復活させ、オンラインプログラムと組み合わせたハイブリッド型での実施を試みる予定です。

高橋雄一(国際交流基金ジャカルタ日本文化センター事務局長

読者のために、国際交流基金が行っている「幽霊」展について教えてください。

国際交流基金(ジャパンファウンデーション)は、日本と世界の相互理解を深めるための活動を常に行っています。芸術・文化交流の分野でもさまざまな企画を行っていますが、そのひとつが日本から世界へ向けての巡回展を定期的に行っていることです。今年は、2021年から世界を巡回している「妖怪パレード~日本発 超常現象の怪~」展です。妖怪とは、平安時代から錦絵で知られる日本の超自然的な生き物のことです。本展では、妖怪の現象や人気を探り、その奥深い謎の世界へと観客を誘います。妖怪パレード:日本からの超自然的な怪物」は、2022年6月17日から27日までBentara Budaya Jakartaで、2022年7月12日から8月2日までSepuluh Nopember Institute of Technology Surabayaで開催される予定です。

日本とインドネシアの距離を縮めるために、国際交流基金ジャカルタは今後どのような役割を担っていくのでしょうか。

国際交流基金の使命は、「文化」「言語」「対話」を通じて日本と世界をつなぐ機会を創出し、人と人との間に理解と信頼を育み、日本と世界の友好を育むことです。この使命を果たすことが、すなわち、インドネシアと日本の距離を縮めることにつながると確信しています。

インドネシアと日本は、パンデミック後にどのようにパートナーシップを強化し、両国の発展につなげることができるのでしょうか。

インドネシア社会の平均年齢が29歳であることを考慮し、近年は主に若い世代をターゲットにしたプログラムを展開し、親日家の裾野を広げることを目的としています。この方向性に変わりはありません。また、インドネシアも日本語学習熱が高く、日本語学習者は70万9479人と世界第2位(国際交流基金「2018年度日本語教育機関調査」による)、その約88%が高校生です。

このように、パートナーシップの強化には、インドネシアにおける日本語教育への支援が不可欠です。今回の調査と同時に、2022年から2023年にかけて、日本人をアジアの中学校に派遣して日本語学習を支援する「にほんごパートナーズ」のインドネシアでの派遣希望者が250校もあり、プロジェクト自体の人気もうかがえます。日本語パートナーズ」は、現地の日本語教師の教育活動を支援するだけでなく、教室内外の学習支援や文化活動を通じて、日本語や日本文化の魅力を広めることを目的としています。

国際交流基金の使命は、「文化」「言語」「対話」を通じて日本と世界をつなぐ機会を創出し、人と人との間に理解と信頼を育み、日本と世界の友好を育むことです。この使命を果たすことが、すなわち、インドネシアと日本の距離を縮めることにつながると確信しています。

パンデミック以前は、対象12カ国・地域の中で、インドネシアが最も多くの「日本語パートナーズ」を受け入れてきました。2020年は「にほんごパートナーズ」をインドネシアに派遣することができませんでしたが、パンデミックの状況が徐々に改善されてきたため、昨年からプロジェクトを再開することができました。また、芸術・文化に関する事業や、インドネシア人研究者の日本研究成果を広く紹介する事業など、これまで日本に興味のなかった人たちにもインパクトを与え、日本を知ってもらうきっかけとなるようなさまざまな事業を展開したいと考えています。

www.jpf.or.id

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