編集長からのメッセージ

ブリッジズ・マガジンは単なる出版物ではありません。それはプラットフォームであり、パイプ役であり、ビジネスや文化、そして人と人とのつながりの力強い糸を通して、国家間の理解と協力が花開く空間なのです。創刊号へようこそ。私は20年近くにわたり、ジャパンタイムズで二国間記事を担当させていただきました。2003年以来、私は国と国との相乗効果の物語がいかにインスピレーションを与え、情報を与えてくれるかを目の当たりにしてきました。

この経験が、こうしたつながりを探求し、私たちの世界を形作る関係性を理解するための永続的なリソースを読者に提供するコーヒーテーブル マガジンを作成するという私の夢を刺激しました。

この創刊号では、フィリピンと日本とのダイナミックな関係に焦点を当てます。両国は、相互尊重と共通の志によって育まれた、長い協力の歴史を共有しています。フィリピンにおける日本の存在感は、インフラ整備と経済成長への貢献に表れています。

ユーチェンコ・グループ・オブ・カンパニーズ(YGC)やGTキャピタル・ホールディングスなどのコングロマリットは、日本企業と提携して、信頼と共有ビジョンを反映した大規模プロジェクトを実現しています。

私たちは、フィリピンの体操選手でオリンピック2連覇を果たし、最多のメダルを獲得したカルロス・ユーロのような個人の功績も称えます。日本人コーチのもとで日本でトレーニングを積んだユーロの成功は、国々が協力して才能を育成することで発揮される可能性を示しています。彼の物語は、協力の力強さを証明しています。

2025年、日本は関西万博(大阪万博)の開催地として、世界の舞台の中心に躍り出ます。この万博は、イノベーション、文化、そして国際連携を象徴する、非常に期待の高いイベントです。本号では、万博におけるフィリピン館の特集記事を掲載し、フィリピンがいかにしてその文化、創意工夫、そして可能性を世界に発信していくのかを紹介しています。

地政学的な緊張が渦巻く世界において、Bridges Magazineの使命はまさに時宜を得たものです。私たちは、共通の価値観と相違点を称え、受け入れることで強みとなることを認識することで、国々の絆を深めることを目指しています。各号は、特集国に関心を持つ読者にとって、有益で楽しいガイドとなるでしょう。

本日は、Bridges Magazineを単なる出版物以上の存在と捉えるというビジョンの集大成です。それは、ビジネス、文化、そして力強い人間関係の糸を通して、国々間の理解と協力が育まれるプラットフォームであり、導管であり、空間なのです。

この創刊号では、日本に関心を持つフィリピン人の投資家、観光客、ビジネス専門家、あるいはフィリピンでの機会を探している日本人駐在員や投資家など、日本と関わりのある読者のために、フィリピンの包括的な姿をお届けします。

今号では、経済面だけでなく、フィリピン人がマンガやアニメに喜びを見出す様子や、日本人がフィリピンを観光と国際協力の拠点として再発見する様子など、人間的なストーリーにも深く触れています。パートナーシップの当事者である両国だけでなく、それ以外の読者にも共感していただけるコンテンツを厳選しました。

世界がデジタル化へと移行する中、雑誌を手に取り、ページをめくりながら、思慮深く厳選されたコンテンツに浸るという行為には、独特のノスタルジックな感覚と満足感があります。この印刷版が、情報を伝えるだけでなく、今日のデジタル時代には稀有な触覚的な体験を通して、読者の皆様に喜びと満足感を与えてくれることを願っています。

この創刊号は、私の母国フィリピンに焦点を当てているだけでなく、長年抱いてきたビジョンの実現を象徴するものであり、私にとって特別な意味を持っています。これは、日本とフィリピンの絆を強める数え切れないほどの個人や団体への賛辞でもあります。この号にご寄稿いただき、Bridges Magazineを支えてくださったすべての皆様に、心より感謝申し上げます。

この旅にご参加いただきありがとうございます。これからも、架け橋を築き、理解を深め、より良い世界を築くためのパートナーシップを大切にしていきたいと思います。

フランツ・J・フリック

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