2025年5月21日、日本・大阪万博2025開催中のオランダ王国建国記念日式典におけるウィレム=アレクサンダー国王の演説
"ご列席の皆様、
オランダ王国を代表して、2025年大阪万博のナショナルデーに皆様をお迎えするためにここに立つことを誇りに思います。
まず初めに、開催国である日本、そして大阪市と関西地方の皆様に、心から感謝と敬意を表したいと思います。皆様のおかげで、この6ヶ月間、160カ国以上がそれぞれのビジョンとアイデアを披露できる場が作られました。
こうして、皆さんは力強いメッセージを発信しています。それは、開放性と結束のメッセージ、知識への渇望と解決策への焦点というメッセージです。2025年大阪万博は、漂流する世界にとって希望の光です。ここには、人々がバラバラになっていく姿ではなく、共通の基盤を熱心に模索する国際社会の姿が見られます。そして、まさに今、私たちに必要なのは、まさにそれなのです!
そこで、この万博の実現に尽力し、実現に尽力してくださった日本の友人の皆様に、感謝の意を表したいと思います。
多くのオランダ人にとって、大阪は故郷のような場所です。活気あふれる港町。貿易の街。勤勉で行動力のある人々が集まる街。大阪は日本のロッテルダム。あるいは、ロッテルダムはオランダの大阪。それは見方次第です。
この日、オランダにとって日本との長年にわたる関係がどれほど恵まれたものであるかを改めて実感しました。これほど長い歴史を持つ西洋の国は他にありません。
425年前、約2年間の航海を経て、最初のオランダ船「リーフデ号」が全くの偶然で九州に到着しました。
船はひどい状態だった。乗組員のほとんどは亡くなり、残った者たちも瀕死の状態だった。彼らは飢えに苦しみ、船のロープの革をかじっていた。しかし、日本に到着すると、彼らは安全な港と温かい歓迎を受けた。
その後の数世紀、実のところ19世紀に入ってからも、「オランダ」は日本の先進文明にアクセスできる唯一の西洋の国でした。私たちは出島という、サッカー場2つ分ほどの広さの島を与えられ、本土とは細い橋で結ばれていました。
この日、オランダにとって日本との長年にわたる関係がどれほど恵まれたものであるかを改めて実感しました。これほど長い歴史を持つ西洋の国は他にありません。
オランダ王室ウィレム・アレクサンダー国王
それは、信じられないほど豊かな交流の始まりでした。商品や貴金属だけでなく、書籍、楽器、美術工芸品、知識、文化までもが交流しました。次第に東西は互いを知り、尊重し合うようになりました。エダムチーズさえも、この橋を渡ってやって来たのです!
私たちは今でもその時代の思い出を大切にしています。そして、日本語に「蘭学」を表す特別な言葉「蘭学」があることを誇りに思っています。
私たちが共有してきた歴史は、繋がりの大切さ、パートナーシップの大切さを教えてくれます。国際協力はゼロサムゲームではなく、誰もが利益を得られるプロセスです。
歴史から得た教訓を生かしていきましょう。
ここ大阪では、「共通の基盤」をテーマに、オランダ王国を独自のパビリオンで紹介できることを誇りに思います。
私たちは、現代の大きな問いに答えるには、共に協力するしかないと確信しています。このパビリオンでは、オランダが国際的なパートナーとして何を提供できるかを、来場者に体験していただけます。オランダにとって、「私たちの生活のための未来社会をデザインする」ことは、遠い地平線上にある壮大な野望ではなく、私たちの日常の現実なのです。
園芸革命をもたらし、食糧安全保障の向上をもたらした私たちの栽培者に聞いてみてください。
急速に持続可能性が高まっている私たちのエネルギー部門に聞いてみてください。
ヘルスケアを次のレベルに引き上げている当社の医療研究者や専門家にご相談ください。
あるいは、私たちの日常生活をより良く、より楽にしてくれているハイテク企業に聞いてみてください。
イノベーションは孤立無援では育たない。イノベーションには新鮮な酸素が必要だ。開かれた扉と窓、繋がり、対話、そして交流。私たちのパビリオンは閉ざされた要塞ではなく、円形の会合の場。誰もが招待される場所です!
大阪と日本にとって素晴らしい万博の成功をお祈りいたします。多くの来場者にインスピレーションを与え、新たなパートナーシップが生まれることを願っています。
この万博はまさに今、世界が必要としているものです。心から「おおきに。ありがとう!」と申し上げます。




























