日本の「ビジョン2025」構想は、2027年までに5兆円の投資という野心的な目標を掲げ、二国間関係を深める重要な推進力となっている。独占インタビュー 日本貿易振興機構(ジェトロ)ニューデリー事務所長の鈴木隆氏は、独占インタビューで日本貿易振興機構(ジェトロ)ニューデリー事務所長の鈴木隆司氏が独占インタビューに応じ、進化する日印関係、すでに実現した成功、そして今後のチャンスについて語った。
「主に外交的な取り組みであるビジョン2025構想は、より広範な二国間関係に確実に影響を及ぼしている」と鈴木氏は述べ、この枠組みが二国間の経済・産業協力の舵取りになっていることを強調した。
投資の多様化、ポストCOVID
歴史的に、日本の対インド投資はスズキを筆頭に自動車部門が中心であった。しかし、日本の投資は、特にCOVID-19の大流行をきっかけに、大幅に多様化している。
「歴史的には、スズキをはじめとする自動車産業が日本からの投資を牽引してきた。しかし近年は、ITやエレクトロニクスといった分野への多角化が進んでいます。楽天や富士通のような企業がインドに進出し、特にソフトウェア開発や研究開発に力を入れています」と鈴木氏は指摘する。
この多様化は、日本がインドを製造拠点としてだけでなく、テクノロジーとイノベーションの重要なハブとしてますます注目するようになったという大きな変化を示している。さらに、ITやエレクトロニクスといった分野での日本のプレゼンス拡大は、世界のハイテク・エコシステムにおけるインドの役割の拡大を浮き彫りにしている。
深まる協力関係
日本とインドの産業協力も深まっており、日印産業競争力パートナーシップのようなイニシアチブは、製造業、技術革新、技能開発の成長を促進する上で中心的な役割を担っている。このパートナーシップは、エレクトロニクスや半導体などのハイテク産業にも拡大している。
日印産業競争力パートナーシップのようなイニシアチブは、製造業、技術革新、技能開発の成長を促進する上で中心的な役割を担っている。
「エレクトロニクス業界は以前からインドに注目していました。大規模な製造はまだ始まっていませんが、各社は販売拠点やサービスセンターを設立しています」と鈴木氏。また、特にインド政府の最近の取り組みから、半導体産業の可能性を指摘した。
インドの大手コングロマリットとの提携は一般的だが、日本企業は中堅企業との提携の価値を認識しつつあると鈴木氏は指摘する。「このようなパートナーシップは、現地市場、規制に関する専門知識、専門的な知識へのアクセスを提供することができます」と彼は説明し、インド市場をナビゲートする上での現地洞察力の重要性を強調した。さらに、これはインド市場のニュアンスに合わせてパートナーシップを調整するという日本の戦略的柔軟性の高まりを反映している。
人と人との交流が不可欠
経済・産業協力の勢いが強いにもかかわらず、鈴木氏は、まだ成長が必要な重要な分野、すなわち人的交流を強調した。「日本とインド間の人的交流の現在のレベルは、日本と中国に比べ著しく低い。「この不均衡が、より深い文化理解やビジネス協力の妨げになっている」と述べた。
このギャップに対処するため、鈴木氏は、より強い文化的結びつきを築き、長期的なビジネス・パートナーシップを強化することができる、学生交換プログラムや人材リクルートのようなイニシアチブを提唱している。「より強い人と人との結びつきを育むことで、日本とインドのパートナーシップの可能性を最大限に引き出すことができるのです」と鈴木氏は締めくくった。
人と人との結びつきを強めることで、日印パートナーシップの可能性を最大限に引き出すことができる。
鈴木隆・日本貿易振興機構ニューデリー事務所長
5兆円への険しい道のり
日本のインドに対するコミットメントは明確であり、2027年までに5兆円の投資という大胆な目標を掲げている。しかし、この目標を実現するには、規制上の課題を克服し、産業協力を深め、人と人との交流を強化する必要がある。強力な投資、産業協力、文化交流の拡大を特徴とするこの発展途上のパートナーシップは、両国に利益をもたらし、世界経済に貢献する将来への計り知れない可能性を秘めている。



