現在の日本とフランスの関係は、文化、ビジネス、貿易などの面でどのようなものでしょうか。
日本とフランスは「特別なパートナーシップ」を築いており、インド太平洋地域で協力し、気候変動対策やデジタル社会への移行などの共通の課題を共有しています。
両国の良好な関係は、法の支配や人権の保護などの共通の基本的価値観や、文化、ビジネス、商業などの人と人との交流に基づいています。最近では、日本に対するフランスの関心の高まりが際立っており、さまざまな分野に広がっています。
貿易・通商の両面において、フランスと日本は重要かつ緊密なパートナーであり、ダイナミックな経済活動を展開しています。アジア諸国の中で、日本はフランスへの累積投資額が最も多く、850社以上の日本企業が9万1千人以上の雇用を提供しています。フランスにおける日本のビジネス活動が、両国の経済的な結びつきの強化に貢献していることは心強いことです。
両国の関係強化のために、大使館はどのような役割を果たしていますか?
在フランス日本大使館は、日仏友好をより成功させるために、いくつかの分野で重要な役割を果たしています。地域レベルでは、マルセイユ、ストラスブール、リヨンの日本領事館や主要都市のフランス名誉領事と緊密に連携しながら、フランスの地域社会との緊密な関係を築くことに努めています。また、CLAIR(自治体国際化協会)などの日本政府機関や、フランス各地の日本文化友好協会の協力も得ています。
私を含めた大使館員は、国内各地で現地のリーダーやパートナーと積極的に会い、意見交換をしています。
パンデミックから立ち直ったフランスと日本、今後の関係に期待することはありますか?
COVID-19のパンデミックにより、これまで両国が一堂に会する機会が少なかったのは残念なことです。しかし、衛生上の制約があるにもかかわらず、両国は一貫して広範な関係をさらに深めてきました。
新型コロナについては、COVID-19ワクチンを開発途上国に提供するため、COVAXファシリティを通じた実りある協力関係を築いています。
インド太平洋の問題以外にも、フランスと日本は、COVID-19ウイルスが流行する以前から、共通のグローバルな課題に共に取り組んできました。パンデミック後のより良い未来のために、国際公衆衛生、気候変動や生物多様性、あるいは社会のデジタル化など、他のグローバルな課題についても、日仏両国が引き続きダイナミックに協力していくことが期待されています。同時に、スタートアップ企業や新しい才能を支援することは、イノベーションを促進するためにも重要です。
パリでの生活について、読者にメッセージをお願いします。
EUの中で重要な役割を果たしている欧州の主要国であるフランスは、BREXIT後、2022年前半のEU理事会議長国として、より積極的な役割を担うことが期待されています。また、アジアにおける日本は、外交、経済、科学技術の面で重要な役割を果たすべきだと考えています。ヨーロッパとアジアを合わせると、世界の人口とGDPの60%以上を占めており、フランスと日本はそれぞれの地域で政治的にも経済的にも主要なアクターとなっています。
だからこそ、我々のチームワークが不可欠なのです。また、日本は、インド洋と太平洋に海外領土を持つ、ヨーロッパで唯一かつ真の「インド太平洋国家」であるフランスと、インド太平洋地域での協力関係を強化したいと考えています。日本とフランスの「特別なパートナーシップ」がさらに発展することを期待してやみません。